ガリ

百科事典マイペディア 「ガリ」の意味・わかりやすい解説

ガリ

エジプトの政治家,国際政治学者。カイロ大学,パリ大学教授を務め,1977年エジプトの外相となる。1979年のイスラエルとの〈キャンプ・デービッド合意〉の立役者。1991年副首相となるが,1992年1月に第6代国連事務総長に就任した。国連事務局の機構改革に取り組み,42人いた事務次長を6人に削減,部局統廃合も進めた。さらに1992年に発表した〈平和への課題〉ではPKOの予防展開である〈平和執行部隊〉構想を打ち出したが,ソマリアでの失敗により同構想を断念一方,1994年には〈開発への課題〉を発表し,地球的規模での課題である人口と開発,資金の流れ,環境などへの予防的取組みの必要性を強調した。2期目への意欲を見せていたが米国の拒否権により断念し,1996年末で退任した。
→関連項目アナン国際連合デ・クエヤル

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ガリ」の意味・わかりやすい解説

ガリ
Gary, Romain

[生]1914.5.8. モスクワ
[没]1980.12.2. パリ
フランスの小説家。飛行士として第2次世界大戦に参加,戦後外交官としてアメリカなどに駐在するかたわら創作に従事,現代文明の非人間性をきびしく告発する作品で知られる。処女作『ヨーロッパの教育』 Éducation européenne (1945) 以下,『チューリップ』 Tulipes (46) ,『大更衣室』 La Grande Vestiaire (48) ,『空の根』 Les Racines du ciel (56,ゴンクール賞) ,『L夫人』 Lady L (63) など。死後,『これからの一生』 La Vie devant soi (75) でゴンクール賞を得た作家エミール・アジャールが実はガリ自身 (甥が身代りをつとめた) であることが明らかにされた。

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世界大百科事典(旧版)内のガリの言及

【ガリア】より

…古代ローマ人が〈ガリGalliの居住地〉に与えた名称で,ガリとは,ギリシア人がケルタイと呼んだケルト人のことである。フランス語,英語ではゴールGaule,Gaul。…

【ケルト人】より

…西ヨーロッパの歴史世界を構成する民族の一つ。ギリシア語でケルトイKeltoi,ラテン語ではケルタエCeltaeまたはガリGalliとよばれた。広域にわたる分布のため,人種的特性は一定しない。…

※「ガリ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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