キウィタス・マキシマ(英語表記)civitas maxima

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キウィタス・マキシマ」の意味・わかりやすい解説

キウィタス・マキシマ
civitas maxima

ラテン語で,世界国家または世界共同体の意。ドイツの啓蒙哲学者でグロチウス学派の一人 C.ウォルフを代表的提唱者とする概念。 17~18世紀のヨーロッパ国家体系が,主権を維持しつつ勢力均衡のもとに安定を保っていた現実を背景にした概念で,国際社会は自然的自由をもつ各国家が自己保存という共通利益のために一種の政治共同体,つまり世界国家の形に結びつき,各国家は世界国家の法規範のもとに秩序と自由を維持すると考えた。この概念は I.カントの国家連合思想や E.リーブズらの世界連邦思想,つまり各国の主権を制限,廃止する形の世界単一国家構想とも異なる。近年ウォルフの理論は,純粋法学の段階的法秩序論でさらに展開された。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android