キチン・サイクル(英語表記)Kitchin cycle

翻訳|Kitchin cycle

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キチン・サイクル」の意味・わかりやすい解説

キチン・サイクル
Kitchin cycle

1923年アメリカの経済学者 J.A.キチンにより発見された景気循環の一形態。彼は英米のいくつかの時系列を検討し,従来の平均8~10年の周期をもつ景気変動の波 (ジュグラー・サイクル ) のほかに,平均 40ヵ月を周期とする短期変動が存在することを発見した。ジュグラーサイクル主循環 major cycleと呼ばれるのに対して,キチン・サイクルは小循環 minor cycleと呼ばれる。主循環が設備投資の変動を中心としているのに対し,小循環は在庫投資の循環的変動によって生じるものとされるので,インベントリー・サイクル (在庫循環) と呼ぶこともある。

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世界大百科事典(旧版)内のキチン・サイクルの言及

【景気循環】より

…同様な循環がほぼ同時にクラムW.L.Crumにより1866‐1922年のニューヨークの商業手形割引率の分析によって明らかにされた。これがキチン・サイクルである。 他方,1913年,物価の動きを調べていたオランダのヘルデレンJ.van Gelderenは,物価に上昇と下降に数十年かかる長期波動のあることを発見した。…

※「キチン・サイクル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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