キルワ(読み)きるわ(英語表記)Kilwa

デジタル大辞泉 「キルワ」の意味・読み・例文・類語

キルワ(Kilwa)

タンザニア南東部、インド洋にある小島。同島北部の都市遺跡キルワキシワニは12世紀から15世紀に交易拠点として栄えた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「キルワ」の意味・わかりやすい解説

キルワ
きるわ
Kilwa

アフリカ南東部、タンザニア南東部のキルワ・キシワニKilwa Kisiwaniにある都市遺跡。10世紀にペルシアからきたシラジ人によって建設され、大陸奥地からの金、象牙(ぞうげ)の交易地として栄えた。13世紀アラブ人の勢力が浸透し、ハッサン・ビンアリ王の時代に、ザンジバル島ペンバ島をはじめアフリカ東海岸を支配下に置き、アフリカ最古の造幣所もあった。1331年、アラビアの旅行家イブン・バットゥータが訪れ、「世界でもっとも美しい町の一つ」と称賛した。14世紀末から勢力は衰え、16世紀にポルトガル人が進出し、その支配下に置かれた。18世紀末、大陸からの奴隷積出し港としてよみがえったが、奴隷貿易禁止とともに廃れた。王宮、イスラム教大寺院などの遺跡や中国製の陶器が数多く発見されている。

[青木澄夫]

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旺文社世界史事典 三訂版 「キルワ」の解説

キルワ
Kilwa

アフリカ東岸,現在のタンザニアにある海港都市。インド洋交易の中心として繁栄した
7・8世紀から15世紀にかけて,南のモノモタパ王国の産出する金を中心に,象牙や奴隷に加えて中国やインドの物産ムスリム商人によって取り引きされた。都市文化であるスワヒリ文化の中心地であり,イブン=バットゥータが来訪したことでも有名。アラビア語で書かれた『キルワ年代記』にその繁栄が記録されている。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「キルワ」の解説

キルワ
Kilwa

東アフリカタンザニア南部の港市。古くからのインド洋交易拠点で,7~15世紀南アフリカのジンバブエ高原産の金を積み出すソファラを支配して繁栄し,14世紀に訪れたイブン・バットゥータ賞賛。『キルワ年代記』は重要史料。

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