キン肉マン(読み)きんにくまん

知恵蔵 「キン肉マン」の解説

キン肉マン

集英社から発行されたマンガ。作者はゆでたまご。「週刊少年ジャンプ」において、1979年から87年まで全387話連載された。ゆでたまごのデビュー作。単行本にもなり、全37巻のジャンプコミックスとして刊行された。78年、第9回赤塚賞準入選、85年、小学館漫画賞を受賞。83年から86年までアニメ「キン肉マン」が、91年にアニメ「キン肉マンキン肉星王位争奪編」が共に日本テレビ系列で放映された。
主人公のキン肉マンことキン肉スグルはキン肉星の王子。人間を超越した存在の超人で、仲間と共に、次々に立ちはだかる強敵とリング上で戦う物語。キン肉マンは地球を襲う怪獣にも軽くあしらわれるダメ超人だが、テリーマンやラーメンマンなどの超人たちとの戦いを経て成長していく。
作者のゆでたまごは、嶋田隆司(しまだ・たかし)と中井義則(なかい・よしのり)による共同ペンネーム。71年に嶋田が通う大阪市の小学校に中井が転校したことで出会う。クラスは違ったが同じ団地に住んでいたため、通学を通して仲良くなる。嶋田が5年生の時に描いていた「キン肉マン」を見た中井が衝撃を受けたことがゆでたまご結成のきっかけになる。アニメ、映画、グッズ、ゲームなど一連のキン肉マン関連商品のヒットにより、2人は25歳で長者番付マンガ部門の1位、2位になる。特に、キン肉マンに登場するキャラクターの形をした消しゴムは「キン消し」と呼ばれ、子どもたちたちの間で人気を集めた。主人公のキン肉マンを始めキン肉大王やミート、スカルボーズ、ロビンマスクなどキャラクターは400種類以上ある。
98年からはキン肉マンの息子、万太郎を主人公とした『キン肉マンII世』が集英社「週刊プレイボーイ」に連載され、後に単行本として全29巻が発行される。2002年には「キン肉マンII世 オール超人大進撃」が「月刊Vジャンプ」で連載開始。また、08年には「キン肉マン」が生誕29(ニク)年を迎えることを記念してアニメ「キン肉マン」のテレビシリーズ全184話と、劇場版全7作品を収録した35枚組みのDVD-BOX「キン肉マン コンプリートDVD-BOX」がリリース。なお、これに合わせ、毎年「29日が金曜日となる日」を、「キン肉マンの日」と制定。制定後初の「キン肉マンの日」となる08年2月29日(金)には、新宿バルト9にて、「キン肉マン映画祭」も開催されるなど、様々な関連企画が実施された。
11年11月28日からは24年ぶりに連載がスタートした。最終シリーズとなった「キン肉星王位争奪編」のラストシーンの続きからスタートする新作ウェブ無料で公開され、12年以降は単行本化が予定されている。

(金廻寿美子  ライター / 2011年)

キン肉マン

人間以上の能力を持つ「超人」たちが、リングの上で闘いを繰り広げる格闘マンガ。1979年から87年まで「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載。作者はゆでたまご(2人組。本名は嶋田隆司と中井義則)。連載当初はウルトラマンをパロディーにしたギャグマンガだったが、次第に格闘技マンガになり、昭和のプロレスブームを背景に人気となった。主人公は才能はあるがやる気のないダメ超人、キン肉スグル(キン肉マン)。闘いを通じて成長していく。
「キン肉マン」の連載終了後、98年に主人公をキン肉万太郎に変えた続編「キン肉マンII世」が「週刊プレイボーイ」(集英社)で、2002年に「キン肉マンII世 オール超人大進撃」が「月刊Vジャンプ」で連載開始。「週刊プレイボーイ」での連載は09年現在も続いている。また、1982年から88年までラーメンマンを主人公にした「闘将!! 拉麺男」が「フレッシュジャンプ」(集英社)で連載。2008年には原作ゆでたまご、作画小川雅史による「キン肉マンレディー」が「ウルトラジャンプ」(集英社)のウェブ増刊「ウルトラジャンプエッグ」で公開開始した。「キン肉マンレディー」以外はアニメ化もしており、マンガ以外にも、映画、ゲームソフト化など幅広いメディア展開を見せている。
さまざまなブームも起こした。作中に出てくる「火事場のクソ力」「屁のツッパリはいらんですよ」といったセリフは、当時子どもたちの間で流行。1983年から87年まで、バンダイが制作したカプセル自販機向け商品(ガシャポン)の「キンケシ」は、200種類以上のキャラクターで1億8,000万個を売上げ、キン肉マンの好きな吉野家の牛丼なども売上を伸ばした。
2008年には29周年を迎え、キンケシの復活や記念イベントなどを実施。また、日本記念日協会により、29日の金曜日がキン肉マンの日に認定された。作品の受賞歴は78年第9回赤塚賞準入選、84年第30回小学館漫画賞など。

(富岡亜紀子  ライター / 2009年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

デジタル大辞泉プラス 「キン肉マン」の解説

キン肉マン

①漫画家ユニット、ゆでたまごによる漫画作品。プロレスを主とした格闘技漫画。『週刊少年ジャンプ』1979年第22号~1987年第21号に連載。第30回(1984年度)小学館漫画賞 児童部門受賞。登場キャラクターの形の消しゴム(通称“キン消し”)が児童を中心に大流行するなど、社会現象化。続編に、主人公の息子が活躍する「キン肉マンII世」がある。2011年11月からは、集英社のニュースサイト『週プレNEWS』で、24年ぶりに本編の続編の連載を開始。
②①を原作とする日本のテレビアニメ。放映は日本テレビ系列(1983年4月~1986年10月)。制作:東映動画(現:東映アニメーション)。声の出演:神谷明ほか。人間を超える力を持つ「超人」のキン肉スグルが戦いを通じて成長していく姿を描く格闘アニメ。劇場版が多数制作されている。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

367日誕生日大事典 「キン肉マン」の解説

キン肉マン (きんにくまん)

生年月日:1960年4月1日
『キン肉マン』の主人公

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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