ギニョール(読み)ぎにょーる(英語表記)guignol フランス語

精選版 日本国語大辞典 「ギニョール」の意味・読み・例文・類語

ギニョール

〘名〙 (guignol)
① あやつり人形一種。人形の胴体の中に手をいれて指であやつるもの。手人形。
※われ深きふちより(1955)〈島尾敏雄〉「いろいろな人間タイプのギニョール人形のように」
② ①の人形を用いた人形劇。ギニョール芝居。
※『 Cocu 』のなげき(1925)〈武林無想庵〉オルネエ・グレエ・オー・ルー「ギニョルを見たり、〈略〉木馬へのったり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「ギニョール」の意味・読み・例文・類語

ギニョール(〈フランス〉guignol)

《「ギニョル」とも》操り人形で、人形の胴体の中に手を入れて指で操るもの。また、それによる人形劇。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ギニョール」の意味・わかりやすい解説

ギニョール
ぎにょーる
guignol フランス語

人形劇の一形式で、手袋式片手遣い人形。人形の首を人差し指、両手親指中指(または小指)で動かすものが多いが、指の使い方は多様である。本来は、フランス革命後リヨンに生まれた民衆的手遣い人形劇の主役名前だが、その人気がいつか手遣い人形の代名詞となった。パンチpunchも同じくイギリスの伝統的手遣い人形劇の主役の名前で、手遣い人形hand puppetの代名詞でもある。袱紗(ふくさ)人形、手人形などの名称でよばれる日本の伝統的手遣い人形は、首の下の短い棒を人差し指と中指で挟んで動かすものが多い。イタリアではブラッティーノ、中国では布袋戯(プータイシー)、ブラジルではマムレンゴなど各民族で多様な名称がある。

川尻泰司

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ギニョール」の意味・わかりやすい解説

ギニョール
guignol

指人形によって演じるフランスの人形芝居。元来はその主人公の人形の名前。コメディア・デラルテプルチネッラにフランス的ユーモアを加味して,人形遣い L.ムールゲ (1744~1844) が考案したといわれる。 18世紀末に現れ,特に 1890年代から 1900年代にかけて,パリのモンマルトル界隈で人気があった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android