ギブズ,J.W.(読み)ぎぶず

世界大百科事典(旧版)内のギブズ,J.W.の言及

【ギブズ】より

…アメリカの理論物理学者。イェール大学を卒業後,工学の研究で学位を得る。1866年から3年間,パリ,ベルリン,ハイデルベルクの各大学に留学し,G.R.キルヒホフ,H.L.F.vonヘルムホルツらに学んだ。71年,イェール大学でアメリカ最初の数理物理学教授に就任,終世その職にあった。熱力学の理論的研究に始まる彼の研究は,統計力学,電磁気学,ベクトル解析,代数学に及ぶが,なかでも化学熱力学の基本体系を確立し,相律,自由エネルギー,化学ポテンシャルなど,現在使われている法則,概念を創造した論文《不均一物質の平衡について》(1876‐78)および統計力学のアンサンブル理論の基礎を築き上げた《統計力学の基本原理》(1902)は画期的な業績である。…

【自由エネルギー】より

…物質の熱力学的な性質を規定する関数(状態量)の一つ。ヘルムホルツの自由エネルギーとギブズの自由エネルギーの2種類があり,一般に系の変化は自由エネルギーの減少する方向にのみ進み,熱平衡状態はこれが極小となるとき実現する。
[ヘルムホルツの自由エネルギー]
 ヘルムホルツの自由エネルギーFは,内部エネルギーUエントロピーS,絶対温度Tを用いて,FUTSによって定義される。…

【統計力学】より

…これをエルゴード定理と呼ぶ。ボルツマンはこの方法でマクスウェル=ボルツマン分布をJ.W.ギブズが正準分布と呼ぶものへと拡張したのであるが,マクスウェルが79年に取り上げるまで,この新方法も顧みられなかった。エルゴード理論
[マクスウェルの魔物]
 マクスウェルは熱力学の第2法則は数学的真理ではなく統計的真理であるとした。…

※「ギブズ,J.W.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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