クボタ

改訂新版 世界大百科事典 「クボタ」の意味・わかりやすい解説

クボタ[株]

農業機械のトップ・メーカーであり,建材,住宅など多角化を推進している。本社大阪市浪速区。1890年(明治23)に久保田権四郎が大阪市で独立開業した久保田鉄工所を出発点としている。開業当初は衡器鋳物,日用品鋳物を主とする各種鋳物の製造販売を行っていたが,93年に鋳鉄管,97年に機械生産を開始し,1922年に農工用石油発動機,27年にディーゼルエンジンというように,しだいに生産対象を拡大していった。30年に(株)久保田鉄工所を設立し個人経営から株式会社へ組織変更すると同時に,(株)久保田鉄工所機械部をも設立したが,37年両社を合併した。また同年には〈クボタ発動機〉の大量生産を開始した。第2次大戦後は,戦争による被害が軽微だったうえ,食糧増産政策で農用発動機の需要が急増したこと等から,いち早く順調に立ち直った。53年社名を久保田鉄工(株)に変更。昭和30年代には機械部門が大きく伸び多角化が進んだ。1969年にクボタハウス(株)を設立して住宅事業に進出した。90年(株)クボタに変更。資本金841億円(2005年9月),売上高9832億円(2005年3月期)。
農業機械工業
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クボタ」の意味・わかりやすい解説

クボタ

機械メーカー。1890年大阪府大阪市で大出鋳物として創業し,1894年大出鋳造所,1897年久保田鉄工所に改称。1930年株式会社改組,1953年久保田鉄工に社名を変更,1990年に現社名となる。1922年の発動機製造以来,田植機バインダなど農業機械の製造を主としてきたが,1957年には住宅建材分野に進出し,1962年には環境整備事業へ参入するなど,多角化を進めた。早くから海外へも進出し,アジアアメリカ合衆国など各国に事務所をもつ。

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日本の企業がわかる事典2014-2015 「クボタ」の解説

クボタ

正式社名「株式会社クボタ」。英文社名「KUBOTA CORPORATION」。機械工業。明治23年(1890)前身の「大出鋳造所」創業。昭和5年(1930)「株式会社久保田鉄工所」設立。平成2年(1990)現在の社名に変更。本社は大阪市浪速区敷津東。農業機械製造会社。トラクターでトップクラス。ほかに田植え機・耕うん機コンバインなどを製造。産業用鋳物でも大手。東京証券取引所第1部上場。証券コード6326。

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