クム(錦)江(読み)クムこう(英語表記)Kǔm-gang

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クム(錦)江」の意味・わかりやすい解説

クム(錦)江
クムこう
Kǔm-gang

韓国の中央西部を流れる川。全長 401kmで,韓国で3位の長さである。流域面積 9866km2。チョルラプク (全羅北) 道の東部,チャンス (長水) 郡にあるソベク (小白) 山脈の1峰から流れ出して,ノリョン (盧嶺) 山脈との間を北に向い,チュンチョンプク (忠清北) 道に入ってノリョン山脈を横切る。チュンチョンナム (忠清南) 道に入り,ミホ (美湖) 川を合せて南西に向きを変え,チョルラプク道との境界をなしてファン (黄) 海に入る。上流は山地を嵌入曲流するが,中・下流には平野が発達。特に下流域はホナム (湖南) 平野の北部にあたり,韓国の主要な穀倉地帯の一つである。ミホ川との合流点付近まで航行に用いられる。流域は古くは百済の中枢地域であって,中流にのぞむコンジュ (公州) 市とプヨ (扶余) 邑はともに国都のおかれた地。河口は溺れ谷をなし,南岸に発達したクンサン (群山) 港は,李氏朝鮮時代から日本の統治期を通じて,米の積出港として知られた。支流テジョン (大田) 川にのぞんでテジョン直轄市,ミホ川の支流にのぞんでチョンジュ (清州) 市が立地する。クム江はペンマ (白馬) 江とも呼ばれ,河口は白村江戦いの地といわれる。

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