クラスター錯体(読み)クラスターサクタイ

デジタル大辞泉 「クラスター錯体」の意味・読み・例文・類語

クラスター‐さくたい【クラスター錯体】

金属クラスター

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「クラスター錯体」の解説

クラスター錯体
クラスターサクタイ
cluster complex

原子や分子が数個から十数個集まり,それらが結合をつくって一つの化合物のようにふるまうものをクラスターという.このうち,金属-金属結合をもつ錯体をクラスター錯体という.代表的なものに次のようなクラスター錯体がある.
(1)金属ハロゲン化物クラスター:[Mo6Cl8]4+,[Ta6Cl12]2+ は金属原子が正八面体をつくり,Cl前者ではMoのつくる正三角形,後者ではTaのつくる正八面体の稜線上に配置する.
(2)カルボニルクラスター:[Ir4(CO)12]は金属原子Irが正四面体をつくり,それぞれのIrに3個のCOが配位している.また,[Os5(CO)16]ではOsが三角両すい型をとる.
(3)鉄-硫黄クラスター:フェレドキシン[Fe4S4]などにみられるFe-S結合により立方体のクラスターをつくる.窒素固定のPクラスターも同じような構造をしている.このタイプのものは生体内での酸化還元過程をつかさどっている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android