クリスト・アンド・ジャンヌ・クロード(読み)クリストアンドジャンヌクロード

百科事典マイペディア の解説

クリスト・アンド・ジャンヌ・クロード

美術家夫妻。クリスト・ヤヴァチェフ〔1935-〕はブルガリア生れで,後に米国籍を取得。ハンガリー事件の際にウィーンに逃れ,1958年にパリに移った。パリでは家具や瓶などを梱包する〈梱包されたオブジェ〉を制作する。ジャンヌクロード〔1935-2009〕と知り合い,1960年に結婚。以後,プロジェクトは妻との共同制作となる。1961年のケルンの《埠頭の梱包》,パリのビスコンティ通りを240個のドラム缶で閉鎖した《鉄のカーテン》(1962年)以降,プロジェクトの規模は拡大,政治的・地理的・文化的な状況を巻き込んでいった。自治体や地元の承認を得るまでの長期間にわたる交渉や莫大な費用の捻出など,実現されるまでのプロセスもまた重要な意味を持つ。カリフォルニアに全長39.4kmのカーテンを張り巡らせた《ランニング・フェンス》(1972年―1976年),茨城とカリフォルニアの2ヵ所に同時に3100個の巨大な傘を設置した《アンブレラ》(1984年―1991年),ヒトラーとの関係から戦後放置されていたベルリンの国会議事堂を丸ごと梱包した《梱包されたライヒスターク》(1971年―1995年)などがある。→インスタレーション

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

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