クレメンチュク(読み)くれめんちゅく(英語表記)Кременчуk/Kremenchuk

デジタル大辞泉 「クレメンチュク」の意味・読み・例文・類語

クレメンチュク(Kremenchuk/Кременчук)

ウクライナ中東部、ポルタバ州都市ドニプロ川沿いに位置し、河港を有す。食品工業自動車工業が盛ん。ロシア語名クレメンチュグ

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「クレメンチュク」の意味・わかりやすい解説

クレメンチュク
くれめんちゅく
Кременчуk/Kremenchuk

ウクライナ中東部、ポルタバ州の都市。ロシア語ではクレメンチュグ。人口23万4000(2001)、22万0271(2018推計)。ドニプロ(ドニエプル)川中流に面して位置し、河港があり、ポルタバ、ハルキウなどへの鉄道に沿う。市は16世紀後半におこり、ドニエプル・コサックの根拠地となった。19世紀に食品加工業がおこり、ドニプロ川の水運とともに盛況をみた。重工業も多く立地し、自動車(12トン積みトラックなど)、コンベヤー設備、石油化学、鉱山用機械類、食品(食肉、乳酪製品、ウォツカなど)、皮革、工芸品、家具、トリコット製品など、幅広い部門の生産活動が行われる。研究教育施設では、ハルキウ自動車道路総合技術研究施設、鉱山、機械、鉄道輸送、民間航空、薬学などの学校が置かれている。

 市の上流でドニプロ川をせき止めるダムと堰堤(えんてい)に付属したクレメンチュク水力発電所が、1960年に完成した。堰堤の長さ11.3キロメートル、堰堤部での満水深17メートル、平均水深6メートル、貯水池の長さ185キロメートル、最大幅30キロメートルである。発電能力は62.5万キロワット。市にはマカレンコ博物館がある。

渡辺一夫

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改訂新版 世界大百科事典 「クレメンチュク」の意味・わかりやすい解説

クレメンチュク
Kremenchug

ウクライナ中部,ポルタワ州南部にある都市。人口23万0222(2005)。市はドニエプル川をはさんで二つに分かれており,左岸部分のほうが大きい。建市は1571年で,17世紀にはコサックのクレメンチュク連隊の中心地であった。第1次世界大戦中の1916年に兵士反乱が起こったところとして知られている。豊富な鉄鉱石埋蔵地を近くもち,第2次世界大戦後,工業都市として発展しており,大規模な自動車工場,石油化学工場などがある。市から14kmのところに59年操業開始のクレメンチュク水力発電所がある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クレメンチュク」の意味・わかりやすい解説

クレメンチュク
Kremenchuk

ウクライナ中部,ポルタバ州の都市。ロシア語名クレメンチュグ Kremenchug。州都ポルタバ南西約 100km,ドニプロ川(ドネプル川)中流部の河港都市。プショル川流入点近くにある。1571年に要塞が築かれ,1765年に都市となった。20世紀に入ると,対岸のクリュキウ Kryukiv とともに冶金工業,機械工業が発展し, 鋳鋼,鉄道車両,大型トラック,コンバインなどが生産された。歴史的に鉄鉱石が産出され,ドニプロ川西岸で採掘される石油の精製も行なわれる。市の北部にクレメンチュク人造湖と発電所がある。人口 23万1202(2005推計)。

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