クロルジアゼポキシド(読み)くろるじあぜぽきしど(英語表記)chlordiazepoxide

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クロルジアゼポキシド」の意味・わかりやすい解説

クロルジアゼポキシド
chlordiazepoxide

マイナートランキライザ抗不安剤。→トランキライザ)の一つ。ジアゼパムニトラゼパム,オキサゼパム,オキサゾラム,メダゼパムなどとともに,ベンゾジアゼピン誘導体(類似体を含む)に属する。静穏作用と骨格筋弛緩作用があり,催眠作用は強くない。抗けいれん作用は弱いが認められ,大脳辺縁系抑制作用がある。行動に対する作用の強さはクロルプロマジンメプロバメート中間である。作用のピークは服用後数時間で,体内にとどまる時間が比較的長いため,蓄積効果がある。副作用は少ないが,量が多くなると眠気,嗜眠(→意識障害),運動失調がみられ,連用により身体依存(→薬物依存)の現れることがある。(→向精神薬

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「クロルジアゼポキシド」の意味・わかりやすい解説

クロルジアゼポキシド
くろるじあぜぽきしど
chlordiazepoxide

穏和精神安定剤(マイナートランキライザー、抗不安剤)の代表的な薬物で、ベンゾジアゼピン誘導体の一種白色ないし淡黄色の結晶または結晶性粉末で、においはなく味は苦い。神経症の治療薬である。大脳辺縁系、とくに海馬扁桃(へんとう)核に抑制的に作用し、正常な意識や行動に影響を及ぼすことなく、神経症などにみられる不安、いらいら、緊張などの情動異常を改善し、鎮静、緊張除去作用を有する。また、自律神経安定化作用もある。市販名「コントール」「バランス」が有名。1錠5ミリグラム、10ミリグラム、また10倍散もある。1日20~60ミリグラムを2~3回に分けて服用する。処方せん医薬品である。

[幸保文治]

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