クワカミキリ(読み)くわかみきり

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クワカミキリ」の意味・わかりやすい解説

クワカミキリ
くわかみきり / 桑天牛
[学] Apriona japonica

昆虫綱甲虫目カミキリムシ科に属する昆虫。本州四国、九州に分布する。クワイチジク害虫として知られる。体長35~45ミリメートル。黒色であるが、灰黄色の微毛を密生し、触角第3節以下は根元半分が白い微毛で青白色にみえる。前胸は背部に横じわが、両側円錐(えんすい)形の突起があり、上ばねの前部には顆粒(かりゅう)がある。成虫は6~8月に現れ、クワ類はじめヤナギ、ケヤキビワミカンニセアカシアなど多種の樹木につき、枝の皮を食べる。雌は樹皮に孔(あな)をあけては1粒ずつ卵を産み、幼虫は材部に食い入り、2~3年かけて成長する。6月ごろ蛹(さなぎ)になり、7月初めごろに羽化し、10日ぐらいして外界に出る。

[中根猛彦]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クワカミキリ」の意味・わかりやすい解説

クワカミキリ
Apriona japonica

鞘翅目カミキリムシ科の昆虫。体長 40mm内外。体は黒色で,黄褐色の微毛を密生する。上翅基部に黒色顆粒が多数ある。前胸背には横皺があり,両側に円錐形の鋭い棘が1個ある。触角は黒色で,第3節以下の基半部が白色微毛におおわれ,雌では体長よりわずかに長いが,雄では体長の 1.4倍ほどである。幼虫はクワの害虫として有名で,クワの材部に穿孔するが,ビワ,イチジク,リンゴなども加害する。本州,四国,九州に分布する普通種。

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小学館の図鑑NEO[新版]昆虫 「クワカミキリ」の解説

クワカミキリ
学名:Apriona japonica

種名 / クワカミキリ
目名科名 / コウチュウ目|カミキリムシ科
解説 / クワやイチジクの枝をかじります。
体の大きさ / 35~45mm
分布 / 本州、四国、九州
成虫出現期 / 6~8月
幼虫の食べ物 / クワ類、ニレ類、バラ類など

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