クーリー(苦力)(読み)クーリー(英語表記)ku-li; k`u-li; coolie

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クーリー(苦力)」の意味・わかりやすい解説

クーリー(苦力)
クーリー
ku-li; k`u-li; coolie

中国インドなどの下層労働者を呼んだ語。もっぱら「下賤」な労働に従事するインドの低カーストの名が語源ともいわれるが,革命前の中国では運輸交通の労働に従事する者が多かった。 19世紀のイギリス領における奴隷制廃止後は,黒人奴隷に代って中国人,インド人がアメリカ大陸,西インド諸島東南アジア農園鉱山などで使役されるようになったが,彼らもクーリーと呼ばれた。形式的には契約労働が多いが,労働条件はきわめて悲惨で,実態人身売買による奴隷的労働に等しかった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「クーリー(苦力)」の意味・わかりやすい解説

クーリー(苦力)【クーリー】

中国やインドの下級労働者に対する外国人呼称英語でcoolie(cooly)。実質的には奴隷同様労働力として売買された。19世紀後半の黒人奴隷解放後,欧米植民地における需要が増大し,クーリー貿易といわれるほど大量に広東などからキューバパナマに送られた。
→関連項目マリア・ルース号事件

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android