グアヤコール(読み)ぐあやこーる(英語表記)guaiacol

精選版 日本国語大辞典 「グアヤコール」の意味・読み・例文・類語

グアヤコール

〘名〙 (guaiacol) ブナの木のタールなどからとる無色の油状液または結晶。化学式 C7H8O2 クレオソート主成分で、特異な臭気をもつ。防腐剤去痰(きょたん)剤に用いる。〔最新百科社会語辞典(1932)〕

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デジタル大辞泉 「グアヤコール」の意味・読み・例文・類語

グアヤコール(guaiacol)

ブナのもくタールユソウボク樹脂(グアヤク脂)に含まれる特異な臭気をもつ結晶。水に溶けない。クレオソートの主成分で、防腐剤・殺菌剤に用いる。化学式C7H8O2

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「グアヤコール」の意味・わかりやすい解説

グアヤコール
ぐあやこーる
guaiacol

正しくはo(オルト)-メトキシフェノールあるいは2-メトキシフェノールという。グアヤック樹脂の乾留によって得られたのでこの慣用名がある。またブナの木(もく)タール中にも含まれる。特異臭のあるやや黄みを帯びた白色の結晶。1,2-ジヒドロキシベンゼン(慣用名カテコール)やo-メトキシアニリン(慣用名o-アニシジン)から製造される。香料バニリンの製造に利用される。水にはわずかにしか溶けないが、有機溶媒に溶ける。

[徳丸克己]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グアヤコール」の意味・わかりやすい解説

グアヤコール
guaiacol

ο-メトキシフェノール,カテコールモノメチルエーテルともいう。化学式 C6H4(OCH3)OH 。カテコールのメチル化によってつくられる。グアヤク脂の乾留物に存在する。 28℃で固化する。特異臭のある白色か淡黄色の固体で,光や空気の存在で褐色を帯び,液体になりやすい (沸点 204~206℃) 。バニリンの実験室的製造原料,去痰剤として使われる。

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百科事典マイペディア 「グアヤコール」の意味・わかりやすい解説

グアヤコール

クレオソールとともにクレオソートの主成分をなすフェノール類。特異の芳香を有する結晶。融点28.3℃,沸点205℃。水に難溶,多くの有機溶媒に可溶。塩化第二鉄水溶液により緑色を呈する。ブナの木タールの分留,カテコールのアルカリ性水溶液に硫酸ジメチルの作用などで得られる。防腐殺菌薬。歯科の消毒,鎮痛,腸内発酵抑制の目的で用いることがある。(図)

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世界大百科事典(旧版)内のグアヤコールの言及

【クレオソート】より

…木材の乾留によって得られる,ほとんど無色か淡黄色の油状の液体で,煙のような臭気と強い焼くような味がする。グアヤコールとクレオソールを主成分として,その他高級フェノール類の混合物。初期にはブナが用いられたが,現在ではカシ,モミジ,マツなども使用される。…

※「グアヤコール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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