グバイドゥーリナ

百科事典マイペディア 「グバイドゥーリナ」の意味・わかりやすい解説

グバイドゥーリナ

タタール共和国出身の作曲家。父はモンゴル系タタール人,母はポーランドユダヤの血を引くロシア人。カザンで少女期を過ごし,同地の音楽院とモスクワ音楽院に学ぶ。ソ連崩壊後はハンブルクに移住した。1970年代から旺盛な作曲活動を開始し,1975年作曲家グループ〈アストレヤ〉を結成。ロシアや中央アジアの民族楽器を用いた即興演奏を展開する一方,クレーメルに献呈されたバイオリン協奏曲《オッフェルトリウム》(1980年),チェロ,バヤンと弦楽合奏のためのパルティータ《最後の7つの言葉》(1982年),八重奏とソプラノのための《T.S.エリオットへのオマージュ》(1987年)など,独自の美学に貫かれた作品を次々と発表。シュニトケペルトらとともに,旧ソ連圏の新しい波の一人として世界的な評価を得た。声楽をともなう作品が多く,時に民族楽器も用いて音色の綾(あや)をつくりだすその音楽は,劇的かつ精妙。深い宗教心を背景に,第2次大戦後の西側前衛が切り捨てがちだった人間的感情が陰影豊かに歌い込まれている。→アコーディオンカンチェリデニソフ
→関連項目キリスト教音楽

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ピティナ・ピアノ曲事典(作曲者) 「グバイドゥーリナ」の解説

グバイドゥーリナ

タタール自治共和国出身の作曲家。1990年に日本に訪れている。ペレストロイカ後の旧ソ連という環境から、前衛音楽を発信し続けている。カザン音楽院とモスクワ音楽院で学んだ。また、民族楽器の名手から奏法を ...続き

出典 (社)全日本ピアノ指導者協会ピティナ・ピアノ曲事典(作曲者)について 情報

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