グラスマン代数(読み)グラスマンだいすう(英語表記)Grassmann algebra

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グラスマン代数」の意味・わかりやすい解説

グラスマン代数
グラスマンだいすう
Grassmann algebra

外積代数ともいう。 H.グラスマンが導入したもので,古典幾何学を3次元以上の n 次元幾何学へ一般化した『広延論』のなかで,その考えを厳密なユークリッド幾何学的記述形式を用いて詳細に述べている。点,線,面などの幾何学的対象は,特殊な規則記号で,巧妙に表わされているので,初期の座標幾何学的方法に比べると,はるかに便利な場合が多い。現在の用語でいえば,線形空間に交代積 xy=-yx を導入した代数である。

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世界大百科事典(旧版)内のグラスマン代数の言及

【線形代数学】より

…またグラスマンは実数体上のベクトル空間の外積代数を定義した。したがって外積代数はグラスマン代数とも呼ばれるのであるが,これは行列式の扱いにも有用である。いわゆる行列式の公理的定義(n次正方行列Aに対し行列式の値を対応させる関数と考えて,(1)Aが単位行列なら値は1,(2)二つの行を入れかえれば値は-1倍になるなどの性質で定義する方法)は外積代数の構成に含まれているともいえる。…

【多元環】より

…∧(V)は積∧をもつ多元環である。これを外積代数,またはグラスマン代数Grassman algebraという。一般のベクトル空間に対しても外積代数が考えられる。…

※「グラスマン代数」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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