グラナドス

精選版 日本国語大辞典 「グラナドス」の意味・読み・例文・類語

グラナドス

(Enrique Granados エンリケ━) スペイン作曲家、ピアニスト郷土色豊かなピアノ曲、オペラを作り、近代スペイン音楽の発展に大きく貢献した。代表作はオペラ「ゴエスカス」、ピアノ曲「スペイン舞曲集」など。(一八六七‐一九一六

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デジタル大辞泉 「グラナドス」の意味・読み・例文・類語

グラナドス(Enrique Granados y Campiña)

[1867~1916]スペインの作曲家・ピアノ奏者。民族音楽を生かし、近代スペイン音楽を発展させた。作品にオペラ「ゴイエスカス」、ピアノ曲「スペイン舞曲」など。

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百科事典マイペディア 「グラナドス」の意味・わかりやすい解説

グラナドス

スペインの作曲家,ピアノ奏者。カタルーニャ地方のレリダに生まれる。父はキューバ出身。軍楽隊指揮者に音楽を学んだのち,スペイン近代音楽の祖ペドレルらにバルセロナ師事。次いでパリで2年間学ぶ。1890年バルセロナでのデビュー・リサイタルでピアノ奏者として成功をおさめ,イザイエティボーと共演。一方で作曲に力を注ぎ,4巻12曲からなるピアノ曲《スペイン舞曲集》(1892年),オペラ《マリア・デル・カルメン》(1898年)で名声を確立。以後もバルセロナを拠点に活動し,1901年同地に〈アカデミア・グラナドス〉を設立,多くの逸材を育てた。1911年ゴヤの芸術に触発された代表作,ピアノ組曲《ゴイエスカス(ゴヤの絵風の情景)》を完成。これは2幕のオペラにも改作されたが,ニューヨークのメトロポリタン歌劇場でその初演に立ち会った帰途,乗り合わせたイギリス汽船がドイツ潜水艦に撃沈され妻とともに48歳で世を去った。《トナディーリャス》(1912年),《愛の歌曲集》(1914年)の2つの歌曲集はファリャの作品と並ぶスペイン近代歌曲の傑作として名高く,ほかにティボーとの交流から生まれた《バイオリン・ソナタ》など室内楽にも名品を残している。
→関連項目ラローチャ

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改訂新版 世界大百科事典 「グラナドス」の意味・わかりやすい解説

グラナドス
Enrique Granados y Campiña
生没年:1867-1916

スペインの作曲家,ピアニスト。アルベニスと並び,同国の民族主義楽派を確立した。カタルニャ地方のレリダに軍人の子として生まれたが,少年時代から楽才を示し,バルセロナでピアノを学んだ。16歳のとき同市音楽院のコンクールで首席を得たのち,ペドレルに作曲を師事,その後パリでC.A.deベリオにつく。帰国後バルセロナでピアニスト,作曲家として名をあげ,20歳代後半に《スペイン舞曲集》を発表して地歩を確立。その後もピアノ曲のほか歌劇,歌曲を主に多くの作品を書いた。1900年代に入ってのちバルセロナに〈アカデミア・グラナドス〉を建て,後進の指導にも力をつくした。また,しばしばパリでリサイタルを催し,1911年作曲のピアノ用組曲《ゴイエスカスGoyescas(ゴヤの絵風の情景)》はとくに高い評価をえた。彼はこれを歌劇にも改作,そのニューヨーク初演に立ち会うため16年渡米したが,帰途,乗り合わせたイギリス汽船がドイツ潜水艦に沈められ,妻とともに絶命した。グラナドスの作品はスペインの民族色をよく生かすと同時にロマン的な情緒にすぐれ,《ゴイエスカス》ほか代表的作品にはこの二要素の高度な融合が見られる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「グラナドス」の意味・わかりやすい解説

グラナドス
ぐらなどす
Enrique Granados y Campiña
(1867―1916)

スペインの作曲家、ピアノ奏者。アルベニスとともに近代スペイン民族楽派を代表する。レリダに生まれる。バルセロナでプホールとペドレルにピアノを学んだのち、パリでドゥ・ベリオに師事した。1889年バルセロナに戻り、グリークのピアノ協奏曲と自作の『スペイン舞曲』でデビュー、その後もピアニストとしてサン・サーンスやカザルスと共演するなど演奏活動を活発に行う一方、1901年には「アカデミア・グラナドス」を創立、後進の育成に努めた。

 作曲家および演奏家としての名声は、1914年に自作を集めてパリのサル・プレイエルで開いた演奏会で頂点に達する。このときの主要曲目は、彼の代表作であるピアノ組曲『ゴイェスカス』2巻6曲(1911)であった。ゴヤの絵から霊感を得たこの傑作は、16年にオペラとして再構成され、第一次世界大戦のためニューヨークで初演が行われ大成功を収めたが、その帰途、乗り合わせたイギリス汽船サセックス号がドイツ軍の潜水艦によってイギリス海峡で撃沈され、同年3月24日妻とともにこの世を去った。彼の作品では、スペインの風俗や男女の物語が独特の香気をもって描かれている。その他の代表作はピアノ曲『スペイン舞曲集』2巻(1900)、オペラ『マリア・デル・カルメン』(1898)、歌曲集『トナディーリャス(スペインの粋(いき)な小唄(こうた)集)』(1912)、『愛の歌曲集』(1914)など。

[関根敏子]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グラナドス」の意味・わかりやすい解説

グラナドス
Granados, Enrique

[生]1867.7.27. レリダ
[没]1916.3.24.
スペインの作曲家,ピアニスト。バルセロナで F.ペドレルに作曲を学び,1887年パリで C.ベリオにピアノを学ぶ。スペインやパリで演奏活動を行い,ピアニストとして名声を博する一方,スペインの民俗舞曲を素材としたピアノ曲を書き,I.アルベニスとともに近代スペインのピアノ音楽に名曲を残した。 1916年ニューヨークで初演された自作のオペラ『ゴエスカス』に立会った帰途,イギリス海峡で乗合せた船がドイツの潜水艦に撃沈され,不慮の死をとげた。主要作品はピアノ曲『スペイン舞曲』 (4巻) ,『ゴエスカス』 (2巻) ,『スペイン民謡による小曲集』など。

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ピティナ・ピアノ曲事典(作曲者) 「グラナドス」の解説

グラナドス

1867年、スペインのカタルニアに生まれる。プホーフにピアノ、ペドレルに作曲を師事。1887年~1889年にかけてパリに留学し、帰国したのち、優れたピアニストとしても活躍した。
グラナドスは、アルベニ ...続き

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