グラン・ギニョール(読み)ぐらんぎにょーる(英語表記)Grand-Guignol

日本大百科全書(ニッポニカ) 「グラン・ギニョール」の意味・わかりやすい解説

グラン・ギニョール
ぐらんぎにょーる
Grand-Guignol

19世紀末から第一次世界大戦前までフランスで流行した怪奇劇。照明やからくり進歩を利用し、亡霊やグロテスクな登場人物の出現、残酷な殺人などを見せ場にして、笑いと色気でつづった大衆劇で、1897年にマックスモレーパリのシャプタル街に専門劇場を開き、大人のための見せ物という意味でグラン・ギニョールと名づけた。その座付作者アンドレ・ド・ロルドは恐怖の王とよばれ、エドガー・アラン・ポーの作品などを下敷きに『グードロン博士の方式』や『電話で』をはじめとする六十数編の戯曲を残している。

[安堂信也]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グラン・ギニョール」の意味・わかりやすい解説

グラン・ギニョール
Grand Guignol

殺人や暴行などを扱ったセンセーショナルな芝居。 1890年代から第1次世界大戦前まで流行し,パリ名物となった。この名称は,大衆的な怪奇劇を盛んに上演したパリのグラン・ギニョール劇場 Théâtre du Grand Guignol (1897開場) に由来する。

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