グラール,F.(読み)ぐらーる

世界大百科事典(旧版)内のグラール,F.の言及

【アバンギャルド】より

…日本では60年代の末,宮川淳が,多様な〈反芸術〉も制度としての芸術を少しも変えなかったばかりか,〈芸術の消滅不可能性〉を逆説的に証明した,と指摘したが,大阪万国博(1970)に多くの前衛芸術家が動員されたのが,その象徴となった。こうして70年以降は,イタリアの〈トランス・アバングアルディアtrans‐avanguardia(超前衛)〉をはじめ,前衛芸術の概念への不信と批判が国際的に高まり,ブラジルの評論家フェレイラ・グラールの著書《前衛と低開発》のように,西欧の前衛芸術がロマン主義以来の脱出願望を引き継ぐ以上,第三世界の現実に機械的に導入しても不毛だ,という批判も起こっている。ただ前衛概念はすでに現代芸術の創造の論理と化しているため,概念だけ否定しても実質は容易に乗り越えられないようだ。…

※「グラール,F.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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