グールドナー,A.(読み)ぐーるどなー

世界大百科事典(旧版)内のグールドナー,A.の言及

【社会学】より

… これに対して,1960年代から70年代にかけての批判と内省が,個々の社会学者をして新たなアイデンティティの模索に駆り立てるほどの知的衝撃力を発揮したのは,それらが従来の批判や内省には欠如していたメタ科学次元での根源的な省察に支えられていたからである。すなわち,こうした批判や内省の主導者的役割を果たしたA.グールドナーに典型的にみられるように,社会学の自己探究はこの科学の〈下部構造〉,とりわけその〈領域仮説〉についての存在論的,認識論的,人間学的検討から開始し,概念,対象,問題,方法等の科学的検討を経て,最後には個々の社会学者の〈感情の構造〉や〈個人的現実〉にまでその批判精神が回帰せねばならぬという,おそろしく根源的な性格をもっていた。
[社会学の基本理念と考察領域]
 だからといって,社会学の基本理念やそれに導かれた研究領域への関心やコミットメントが,社会学者の間で消滅したわけでは毛頭ない。…

【知識人】より

… しかし,政治の科学化,組織の管理化,文化の産業化が著しく進展し,〈技術的認識関心〉が異常に肥大している現代の先進産業社会では,intelligenceによって生きる人間を知識人問題の領域から除去するわけにはいかない。最近,グールドナーAlvin Gouldnerは,この二つの知識の保持者を〈技術的知識人technical intelligentsia〉と〈人文的知識人humanist intellectuals〉に区別したうえで,両者がともに〈文化資本〉とプロフェッショナリズムのイデオロギーによって結ばれた新しい階級,つまり〈文化的ブルジョアジー〉を構成するにいたっていると主張している。この説に賛成しようとすまいと,これら二つの知識階層の間の牽引・反発の弁証法関係,および相互浸透の問題は絶対に看過されてはならない。…

※「グールドナー,A.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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