ケマ(蓋馬)高原(読み)ケマこうげん(英語表記)Kaema kowǒn

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ケマ(蓋馬)高原」の意味・わかりやすい解説

ケマ(蓋馬)高原
ケマこうげん
Kaema kowǒn

北朝鮮の北部に広がる溶岩台地。面積2万 km2。標高 1000~1500m。南東縁をプジョンリョン (赴戦嶺) 山脈,西部を南北にランリム (狼林) 山脈が走り,北縁のアムロク (鴨緑) 江に向ってゆるく傾斜する。プクスベク (北水白) 山 (2522m) などの山地を含むが,大部分は比較的平坦な高原面である。大部分が先カンブリア界の花崗片麻岩から成り,東部は玄武岩の溶岩におおわれる。寒冷で,月平均気温は 12月~2月では-17℃以下,8月で 20℃前後である。チョウセンカラマツ,エゾマツ,チョウセンモミなどの原生林に広くおおわれる。アワカラスムギ,ヒエ,ダイズ,ジャガイモ,アサなどが栽培され,ウシ,ヒツジの放牧が行われる。農場,牧場の大規模な開発が進んでいる。北流するチャンジン (長津) 江,プジョン (赴戦) 江,ホチョン (虚川) 江の水をプジョンリョン山脈の南に導いて水力発電が行われている。

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