ケララ(読み)けらら(英語表記)Kerala

精選版 日本国語大辞典 「ケララ」の意味・読み・例文・類語

ケララ

(Kerala) インド共和国南西部の州。州都トリバンドラム。かつて古代インドの王国。古来東西貿易で栄えた。マラバル地方ともいう。ケーララ

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ケララ」の意味・わかりやすい解説

ケララ
けらら
Kerala

インド南西端、アラビア海に面する州。面積3万8852平方キロメートル、人口3183万8619(2001)、3340万6061(2011センサス)。人口密度は1平方キロメートル当り860人で、中央政府直轄地区を除いたインド28州のなかでも上位につける。主要都市は州都ティルバナンタプラム(トリバンドラム)のほか、コジコーデコーチコーチン)、アラップーザ(アレピー)などで、海港として発展した都市が多い。地形、気候、土地利用などの点から、西ガーツ山脈に沿って南北に走る熱帯雨林地域、これと相接する丘陵地帯、アラビア海に面する海岸地帯の三つの地域に区分される。言語に基づいた1956年の州再編成法によって、かつてイギリスの支配下にあったトラバンコール藩王国の一部が北隣のコーチンと合併し、トラバンコール・コーチン州となり、これに旧マドゥラ大管区のマラバル地区を併合して成立した。言語は公用語のマラヤーラム語のほかタミル語、カンナダ語が用いられる。

 ビハール州に次いでもっとも鉱物資源が豊富で、モナザイト、金紅石、雲母(うんも)、石灰石英石炭などを産する。おもな産業としては、これらの鉱物資源を中心とした鉱工業のほか、米、タピオカココナッツ、アレカナッツ、カシューナッツコショウサトウキビ、ゴム、茶、コーヒーなどを基幹作物とする熱帯農業が営まれる。そのほか漁業も盛んで、インド六大港湾の一つ、中央政府管轄地区のコーチ港などがある。識字率は90%(1991)とインドでもっとも高く、またヒンドゥー教徒が人口の半数を占め、イスラム教徒、キリスト教徒がおのおの約20%を占めるなど、社会・文化的構造も他の諸州とはその様相を大きく異にしている。インドで最初の共産党州政府(1957~1959)が成立した州として知られ、ナクサライト党ナイル会を中心とする急進的運動も激しい。

[米田 巌]

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