日本大百科全書(ニッポニカ) 「ケルテス(指揮者)」の意味・わかりやすい解説
ケルテス(指揮者)
けるてす
István Kertész
(1929―1973)
ハンガリー出身のドイツの指揮者。ブダペストに生まれる。同地のリスト音楽院を卒業後、ハンガリー動乱で祖国を去り、ローマのサンタ・チェチリア音楽院でフェルディナンド・プレビターリに師事、指揮法を学ぶ。1958年アウクスブルク市立歌劇場の指揮者に就任して西ドイツに足場を築き、64年ケルン歌劇場の音楽監督に迎えられ、死去するまでその地位にあった。65~68年モントゥーの後任としてロンドン交響楽団首席指揮者を兼務。このオーケストラと64年(昭和39)に初来日。チェコとドイツの音楽を得意とし、情熱的でリズミカルな演奏を聞かせた。
[岩井宏之]