ケンドル(Edward Calvin Kendall)(読み)けんどる(英語表記)Edward Calvin Kendall

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ケンドル(Edward Calvin Kendall)
けんどる
Edward Calvin Kendall
(1886―1972)

アメリカの生化学者。コネティカット州ノーウォークで生まれる。コロンビア大学で学び、1910年化学博士号を取得した。その後、パーク・デービス社で甲状腺(せん)について研究、ついでセント・ルーク病院に勤務ののち、1914年ミネソタ大学メイヨー財団の生化学主任を務め、1951年に退職後はプリンストン大学の客員教授となった。

 1915年に甲状腺から活性物質を単離し、これをチロキシンと命名した。さらに1930年代にはスイスの有機化学者ライヒシュタインと同時期に、ウシ副腎(ふくじん)から、副腎皮質ホルモン一種であるコルチゾンコルチコステロンの単離に成功した。コルチゾンはのちにアメリカの医学者ヘンチによってリウマチに対する治療効果が確かめられた。この副腎皮質ホルモン単離などの業績により、1950年にライヒシュタイン、ヘンチとともにノーベル医学生理学賞を受賞した。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android