ゲオン(英語表記)Henri Ghéon

精選版 日本国語大辞典 「ゲオン」の意味・読み・例文・類語

ゲオン

(Henri Ghéon アンリ━) フランス劇作家中世民衆宗教劇現代に復活させようとした。代表作「階段下の貧者」。評論モーツァルトとの散歩」は有名。(一八七五‐一九四四

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改訂新版 世界大百科事典 「ゲオン」の意味・わかりやすい解説

ゲオン
Henri Ghéon
生没年:1875-1944

フランスの劇作家。本名はHenri Léon Vangeon。医学博士になったあとで文学転向,《NRF(エヌエルエフ)》誌の創設者の一人となり,象徴主義風の悲劇《パン》(1911)で劇壇に登場,ジャック・コポーらと演劇革新運動を推進した。第1次大戦には軍医として従軍,その間にカトリック信仰に復帰,のち,民衆の信仰を母胎とする中世神秘劇の復興を試み,聖書,聖者伝に取材する多くの作品を残し,自分自身も,〈ノートル・ダムの友〉という素人劇団を組織して,自作の上演にあたった。代表作に,聖人アレクシスを主題とした《階段下の貧者》(1920),《聖母マリアの前のベルナデッタ》(1931)などがある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゲオン」の意味・わかりやすい解説

ゲオン
Ghéon, Henri

[生]1875.3.15. ブレシュルセーヌ
[没]1944.7.23. パリ
フランスの劇作家,詩人。本名 Henri Léon Vangeon。『NRF (エヌエルエフ) 』誌の創刊者の一人。悲劇『パン』 Pain (1911) で劇壇にデビュー,コポーのビュー=コロンビエ座に参加。第1次世界大戦に軍医として従軍中カトリックに改宗,以後キリスト教の教義に基づく作品によって民衆的宗教劇の復活に努力した。代表作は聖アレクシウスを扱った『階段下の貧者』 Le Pauvre sous l'escalier (21) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゲオン」の意味・わかりやすい解説

ゲオン
げおん
Henri Ghéon
(1875―1944)

フランスの詩人、劇作家。医学から文学に転じ、詩集『夜明けの歌』(1897)、『夏の孤独』(1898)、文芸評論『われらの方向』(1911)を発表。『新フランス評論』誌創刊者の一人。コポーらとビュー・コロンビエ座の演劇革新運動に努める。中世キリスト教民衆劇の復興に貢献。主要劇作品は『階段下の乞食(こじき)』(1920、1921初演)、『狼(おおかみ)の国の羊飼』(1922)、『広場のクリスマス』(1935)、『聖マルチノの不思議』(1943)など。

[倉田 清]

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