ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン(読み)ゲッツフォンベルリヒンゲン(英語表記)Götz von Berlichingen

百科事典マイペディア の解説

ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン

ゲーテ戯曲。5幕。1773年作。16世紀に実在した隻腕騎士伝記もとに,古風な正義と自由を主張する素朴な男が,新時代の波と宮廷政治陰謀翻弄(ほんろう)されて没落する姿を描く。シェークスピアにならって三統一を打破した劇形式を採用,ドイツ文学の新時代到来ののろしとなった。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン
Götz von Berlichingen

ドイツの詩人,作家ゲーテの戯曲。5幕。 1773年刊,74年初演。 16世紀の実在の人物自伝に取材し,鉄の義手をつけた騎士ゲッツが友に裏切られ農民一揆参加,獄死するまでを描く。シェークスピア崇拝の口火を切り,シュトゥルム・ウント・ドラング最初の達成となった。初稿『鉄手のゴットフリートフォンベルリヒンゲンの戯曲化せる物語』 (1771) がある。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 の解説

ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン
Götz von Berlichingen (本名 Gottfried)

1480~1562

宗教改革時代のドイツの帝国騎士皇帝諸侯の傭兵軍の指揮者としてさまざまの戦闘に参加,ドイツ農民戦争の際には反乱農民に加担して捕えられたこともある。ゲーテ史劇(『鉄手のゲッツ』1773年)で有名となった。

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