ゲルリッツ(英語表記)Görlitz

デジタル大辞泉 「ゲルリッツ」の意味・読み・例文・類語

ゲルリッツ(Görlitz)

ドイツ東部、ザクセン州都市ポーランドとの国境を流れるナイセ川に面する。1949年から1990年まで旧東ドイツに属した。第二次大戦後、ドイツとポーランドの国境として適用されたオーデル‐ナイセ線により、旧市はナイセ川で二分され、東岸はポーランドに帰属しズゴルゼレツと呼ばれた。中世には塩や麻などの交易で栄えた。哲学者ヤコブ=ベーメ出身地としても知られる。

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改訂新版 世界大百科事典 「ゲルリッツ」の意味・わかりやすい解説

ゲルリッツ
Görlitz

ドイツ東部,ザクセン州の都市。人口7万(1991)。オーデル川の支流ナイセ川に沿う。車両・機械製造・繊維工業がある。1220年ごろに建市,16世紀半ばまで商業都市として栄えたが,のち衰退し,18世紀に復活した。ルネサンス様式ではドイツ最古といわれる市庁舎などがある。第2次大戦後オーデル・ナイセ国境により分割され,ナイセ川東岸部分は現在ポーランド領に属しズゴジェレツZgorzelecと呼ばれる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゲルリッツ」の意味・わかりやすい解説

ゲルリッツ
げるりっつ
Görlitz

ドイツ東部、ザクセン州の都市。1949~90年は旧東ドイツに属した。ポーランドとの国境を流れるナイセ川に沿う標高210メートルにあり、人口6万1600(2000)。東経15度にあり、中央ヨーロッパ時間の標準時都市である。第二次世界大戦後、旧東ドイツ政府のオーデル‐ナイセ・ライン国境承認によって、ナイセ川の右岸部分はポーランド統治下に入り、ズゴルゼレツZgorzelec(人口3万5100。2002推計)とよばれている。多様な工業がみられ、車両、光学機器、電気、機械製造、さらには紡績、織布、衣服工業も行われる。1100年ごろに創設された町で、13世紀以来オーバーラウジッツ東部の中心地であり、ボヘミアシュレージエンとの交易において関税自主権とタイセイ(青色染料)の専売権をもっていた。

[佐々木博]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゲルリッツ」の意味・わかりやすい解説

ゲルリッツ
Görlitz

ドイツ東部,ザクセン州の都市。ドレスデンの東約 90km,ポーランドとの国境をなすナイセ川 (ラウジッツァーナイセまたはゲルリッツァーナイセともいう) 左岸に位置する。 11世紀にスラブ人の町として興り,1303年都市権を獲得。中世には織物業の中心として栄えた。 1635年それまでのボヘミア領からザクセン大公国の一部となり,1815年プロシアに編入。古くからオーバーラウジッツ地方の中心で,現在も車両,機械,織物,電子機器などの工業が盛ん。聖ペーテル・パウル教会 (1423~97) ,14世紀の城塞など歴史的建造物も多い。第2次世界大戦後ナイセ川右岸の地区はポーランド領となり,ズゴジェレツと呼ばれている。人口7万 2237 (1991推計) 。

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