コイ(鯉)(読み)コイ

百科事典マイペディア 「コイ(鯉)」の意味・わかりやすい解説

コイ(鯉)【コイ】

コイ科の魚。ユーラシア大陸温帯部に広く分布し,北米,オーストラリアなどでは移殖されたものが野生化している。体長80cmになるが,ふつう40cmほど。フナに似るが4本の口ひげがある。野生種(マゴイ)は体高が小さく体幅が大きく,背は緑褐色,体側は黄金色を帯びる。池や沼,流れのゆるやかな川の中・下流などにすみ,雑食性。淡水魚中,最も重要な食用魚の一つで,養殖も盛ん。鯉こく,あらい,中国料理に喜ばれる。観賞用のニシキゴイ錦鯉)はイロゴイハナゴイなどともいわれ,マゴイの突然変異種を基調として,新潟県山古志地方で育種改良されたもの。おもな品種に赤白・大正三色・昭和三色・浅黄系などがある。ドイツゴイは鱗を著しく少なくしたもので,肉が多く,成長の早いのが特徴である。2003年10月に霞ヶ浦でコイヘルペスウイルス(KHV)病による養殖コイの大量死が発生し,その後,各地に被害が拡大した(2004年のKHV感染コイの発見件数910件)。

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