コマロフ(読み)こまろふ(英語表記)Владимир Леонтьевич Комаров/Vladimir Leont'evich Komarov

日本大百科全書(ニッポニカ) 「コマロフ」の意味・わかりやすい解説

コマロフ
こまろふ
Владимир Леонтьевич Комаров/Vladimir Leont'evich Komarov
(1869―1945)

ロシアの植物学者。ペテルブルグ生まれ。ペテルブルグ大学卒業。同教授。ソ連科学アカデミー(現、ロシア科学アカデミー総裁にも就任(1936~1945)。植物フロラ研究のため、在学中から極東地方シベリアモンゴルなどの探検旅行を数次にわたって行い、研究成果を多くの植物誌として発表。さらに、こうした植物地理学的研究を基礎にして植物の種の起源と進化について環境の影響を重視した独自な見解を『植物の種の理論』(1940)にまとめ、スターリン賞を授与された。第二次世界大戦中はウラル地方の国防資源動員委員長として活動し、社会主義労働英雄の称号を与えられた。

真船和夫

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コマロフ」の意味・わかりやすい解説

コマロフ
Komarov, Vladimir Mikhailovich

[生]1927.3.16. モスクワ
[没]1967.4.24. カザフスタン
ソビエト連邦の宇宙飛行士。1942年空軍に入隊,その後パイロットとなる。空軍工科アカデミーを卒業(1959)。1964年10月,史上初の 3人乗り衛星船ボスホート1号の船長として B.エゴロフ,K.フェオクチストフ両飛行士とともに地球を 16周した。1966年7月には日ソ友好祭のソ連代表団の一人として来日。1967年4月,バイコヌール基地から打ち上げられた新型宇宙船ソユーズ1号にただ 1人で乗り込み,地球を 18周したが,地上帰還途中,主パラシュートの索がもつれてうまく開かず,墜落死した。

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