改訂新版 世界大百科事典 「コミュニティカレッジ」の意味・わかりやすい解説
コミュニティ・カレッジ
community college
アメリカの公立2年制カレッジ。ハイ・スクールを卒業したすべての青年および成人に開かれ,原則として無償・希望者全員入学制であり,別名オープン・ドア・カレッジとも呼ばれている。授業は昼間・夜間を通して行われ,(1)4年制大学後期課程への編入コース,(2)各種資格取得のための職業教育コース,(3)地域住民の学習要求にこたえる地域サービス・コースの3コースがある。歴史的には,20世紀初頭とくに1920年代に入って発展したジュニア・カレッジが大衆化されたものであり,1965年の高等教育法を契機に飛躍的に拡充された。州によって形態(財政・運営等)は多少異なるが,代表的なカリフォルニア州のコミュニティ・カレッジは,人口20万前後に1校,すでに100校以上設立され,住民の公選による大学理事会によって管理・運営されている。それは住民の住民による〈開かれた大学〉として画期的なものであり,その動向は日本でも最近とくに注目されている。
→コミュニティ・スクール
執筆者:小川 利夫
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