コリアー(英語表記)Collier, Arthur

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コリアー」の意味・わかりやすい解説

コリアー
Collier, Arthur

[生]1680.10.12. ラングフォードマグナ
[没]1732.9.
イギリスの哲学者。イギリスの哲学者でありながら,同時代の J.ロックを知らず,大陸の哲学者,デカルト,N.マルブランシュ,J.ノリスなどに私淑。精神から独立して外界が存在することを否定し,われわれの知覚する事象は,精神との関連においてのみ存在しうると考えた。ここから,外界が有限であると同時に無限であるという二律背反に対しては,神の被造物への関係と,神の被造物たる人間と認識対象との関係によって解決しようとしたが,これは同時代のバークリー的観念論に似通うものである。主著"Clavis universalis" (1713) ,"A Specimen of True Philosophy" (30) など。

コリアー
Collier, Peter Fenelon

[生]1849.12.12. アイルランド,カーロー
[没]1909.4.21. ニューヨーク
アメリカの出版業者。 17歳でアメリカに移住し,1870年代の初期にニューヨークで書籍セールスマンになった。予約者の分割支払方式という書籍販売の方法を考案し,やがてシェークスピアなどの古典文学書を予約分割支払方式で出版販売する出版社を創立し,低所得層の購買力を開拓して成功をおさめた。 88年に文芸評論誌"Once a Week"を創刊したが,これがのちの『コリアーズ・ウィークリー』 Collier's Weeklyの前身である。

コリアー
Collier, Jeremy

[生]1650.9.23. ケンブリッジ,ストーバイキー
[没]1726.4.26. ロンドン
イギリスの牧師ケンブリッジ大学に学ぶ。王政復古期喜劇の不道徳性を攻撃したパンフレットイギリス演劇の不道徳性と涜神に関する管見』A Short View of the Immorality and Profaneness of the English Stage (1698) によって最も有名。これは劇作家側の反撃を誘い,長期にわたる論争の種となった。ほかに神学の著作多数。

コリアー
Collier, John Payne

[生]1789.1.11. ロンドン
[没]1883.9.17. メードンヘッド
イギリスの批評家,古文書研究家。エリザベス朝に興味をもち,戯曲の校訂や『イギリス劇詩史』 The History of English Dramatic Poetry (3巻,1831) の著作などで学界に貢献したが,シェークスピア関係の資料を偽造するなど信用できない面も少くない。

コリアー
Collier, Constance

[生]1878.1.22. ウィンザー
[没]1955.4.25. ニューヨーク
イギリスの女優。本名 Laura Constance Hardie。当り役は『オリバー・トゥイスト』のナンシー,O.ワイルドの『理想の夫』のシェバリー夫人など。著書に,回想記『道化芝居』 Harlequinade (1929) がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「コリアー」の意味・わかりやすい解説

コリアー
こりあー
John Henry Noyes Collier
(1901―1980)

イギリスの小説家。チンパンジーと結婚する男を描く寓意(ぐうい)的長編小説『猿をめとりて』(1930)で、人の意表をつく発想を試み、好評を博す。その後も健康な風刺精神を示す作品を発表。『緑想』(1932)などの短編小説には怪奇的幻想と明るい笑いもうかがえる。ほかに社会風俗史的著作や、詩集『バリケード』(1921)などがある。

[玉泉八州男]

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367日誕生日大事典 「コリアー」の解説

コリアー

生年月日:1789年1月11日
イギリスの批評家,古文書研究家
1883年没

コリアー

生年月日:1680年10月12日
イギリスの哲学者
1732年没

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