コルシェルト(読み)Korschelt,Oskar

朝日日本歴史人物事典 「コルシェルト」の解説

コルシェルト

没年:没年不詳(没年不詳)
生年:1853.9.18
明治初期,農商務省お雇い化学技術者。ドイツ生まれ。ドレスデン工芸学校,ベルリン大学で化学を修め,明治9(1876)年来日,東京大学医学部製薬科教師兼医学予備門教授。12年11月からは農商務省地質調査所(所長和田維四郎)の分析係長として17年10月まで在職。その間,土,岩石,鉱物の調査分析はもちろん,窯業,セメント,鉱業,鉱泉などを手がけ,さらに酒,漆などの広範多岐の分野で業績をあげた。日本で最初に確認された「竹ノ内隕石」(明治13年兵庫県に落下)の鑑定者でもある。しかし業績中最大のものは塩業にあり,ヨーロッパ科学者の眼をもって日本塩業の実態を調査し,技術から経営にわたる改善策をまとめた『日本海塩製造論』(1883)は,その後の塩業に大きな影響を与えた。また滞日中碁を覚え,外国人としては一番の達人と称された。帰国後ドイツで碁の紹介普及に努めたといわれる。

(村上正祥)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「コルシェルト」の解説

コルシェルト Korschelt, Oscar

1855-? ドイツの化学者。
明治9年(1876)東京医学校(現東大医学部)教師として来日し,薬化学,数学などをおしえる。のち内務省地質課にうつり,各地地質調査おこない,地質調査所の設立につくした。17年帰国。ザクセン出身。ドレスデン工芸学校卒。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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