コロリョフ(英語表記)Korolëv

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コロリョフ」の意味・わかりやすい解説

コロリョフ
Korolëv

ロシア西部,モスクワ州の都市。旧名カリーニングラード Kaliningrad。モスクワ衛星都市で,北東郊の森林公園地帯にある。1928年以降,兵器産業などの工業都市として,また首都ベッドタウンとして発展。1938年にカリーニングラード市となった。1996年,ロケット工学者セルゲイ・コロリョフを記念して現市名に改称。絹などの織物で知られたが,第2次世界大戦以降,ソビエト連邦,ロシアの宇宙開発において主要な研究機関が設立された。先端技術や科学関連工業が経済を支えている。公園や博物館が多く,詩人マリーナ・ツベターエワ旧邸も博物館として残されている。人口 18万3452(2010)。

コロリョフ
Korolëv, Sergei Pavlovich

[生]1906.12.30. ジトーミア
[没]1966.1.14. モスクワ
ソ連のロケット工学者。オデッサ建築学校を卒業 (1924) 後,キエフ工科大学,モスクワ高等工科大学 (26) の A.ツポレフらのもとで航空工学を学ぶ。航空機設計の仕事をしているうち次第にロケットに関心をもち,モスクワ反作用力研究グループを組織,1933年にはソ連初の液体燃料ロケットの打上げに成功。第2次世界大戦後はドイツのV-2ロケットの改良を手がけ,ソ連初の大陸間弾道弾を完成。特にフルシチョフ時代はソ連宇宙開発の指導的地位にあり,世界にさきがけてボストーク,ソユーズなど有人人工衛星の打上げに成功した。

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