コロ(読み)ころ(英語表記)Rene Kollo

精選版 日本国語大辞典 「コロ」の意味・読み・例文・類語

コロ

〘名〙 (「コロリ」の略) =コレラ
歌舞伎小袖曾我薊色縫十六夜清心)(1859)二幕「去年のやうにころでも流行りゃア」

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デジタル大辞泉 「コロ」の意味・読み・例文・類語

コロ(Coro)

ベネズエラ北西部の町。正式名称サンタアナ‐デ‐コロ。首都カラカスの西約320キロメートルに位置し、カリブ海に面する。16世紀前半にスペイン人が入植し、同国初期の植民都市となった。続いて16世紀にスペイン国王から開拓権を借り受けたドイツ商人のウェルザー家が支配した。砂糖貿易の拠点として栄えたが、度重なる海賊の襲撃などを受けて衰退。スペインとオランダの影響を受けた古い町並みが残り、1993年に「コロとその港」の名称で世界遺産(文化遺産)に登録。また、豪雨による被害を受けたため、2005年に危機遺産に指定された。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「コロ」の意味・わかりやすい解説

コロ
ころ
Rene Kollo
(1937― )

ドイツのテノール歌手。ベルリンに生まれる。祖父のワルター・コロWalter Kollo(1878―1940)、父のウィリー・コロWilli Kollo(1904―88)は、ともに成功したオペレッタ作曲家であった。オペレッタやライト・ミュージックから出発したルネは、正規の音楽教育を1958年まで受けたことがなかったが、ベルリンでエルザ・バレーナElsa Verenaに65年まで師事。

 同年ブラウンシュワイクでオペラ・デビューを果たした。ついで67~71年ケルンのオペラ劇場においてリリカル・テノールの主役を務める。69年のバイロイト音楽祭における『さまよえるオランダ人』への出演を皮切りに、ワーグナーリヒャルト・シュトラウスのオペラに多数出演。70年代から80年代にかけては世界各地の劇場に招かれ、ミラノ・スカラ座ではシュトラウスアラベラ』、ウィーン国立歌劇場でワーグナー『パルジファル』に出演したほか、ザルツブルク音楽祭、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場『ローエングリン』などに出演している。

 ワーグナー歌手として有名だが、声の質としては比較的軽いのが特徴。また、ドイツ語圏の地域ではオペレッタのスターとして知られ、70年代には『チャールダーシュの女王』(カールマン)、『ほほえみの国』(レハール)、『ウィーン気質(かたぎ)』(ヨハン・シュトラウス(子))などの舞台にも出演した。日本での初公演は87年(昭和62)、ベルリン・ドイツ・オペラにおける『ニーベルングの指環(ゆびわ)』のジークフリート役であった。以後、88年のバイエルン国立歌劇場、89年(平成1)ウィーン国立歌劇場との来日公演でも得意なワーグナーを披露している。シリアスな役も陽気な役も人間味に溢れた洗練された歌唱と演技で繰り広げ、熱狂的なファンも多い。また歌曲の作曲のほか80年代後半からはオペラの演出を手がけるなど、多彩な活動を行う。

[小沼純一]

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百科事典マイペディア 「コロ」の意味・わかりやすい解説

コロ

セルビア・クロアチア語で輪舞の意。南スラブ諸族の代表的な民俗舞踊の意で用いられる場合には,輪舞以外の形態の踊りも含む。古代ギリシアのコロスの踊りに由来するものといわれ,同種の踊りがマケドニアではオロoro,ブルガリアではホロhoro,ルーマニアやモルドバではホラhora,現代ギリシアではシルタキsyrtakiなどと呼ばれ,バルカン一帯に広く見られる。これらの踊りは元来はゆっくりした単純な2拍子系のものだったと思われるが,アクサクaksakと呼ばれる2と3の単位をいろいろに組み合わせた不規則なリズム(トルコ系の変拍子)のものが浸透するにつれ,各地で独自のリズムのものが生み出されていった。ホラは,建国まもないイスラエルに移入され,適度の速さの4拍子の輪舞となり,民族活動のシンボルとなった。

コロ

ベネズエラのカリブ海に面した町。1527年スペインの植民都市として建設された。沖合のオランダ領の島との影響で,スペインのコロニア様式とオランダのバロック様式を取り入れた建物が多く残されている。植民地時代を伝えるアーチや聖ガブリエル聖堂などがあり,ラ・ベラには礼拝堂などオランダ風の建造物がある。この町の景観は1993年,世界文化遺産に登録。景観破壊や大雨による被害により,2005年危機遺産リストに登録された。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コロ」の意味・わかりやすい解説

コロ
Coro

ベネズエラ北西部,ファルコン州の州都。カリブ海に突出するパラグアナ半島と本土を結ぶ地峡の本土側のつけ根に位置する。 1527年スペイン人が建設。植民地時代初期には伝説の黄金郷エルドラドを求める多くの探検家の基地となった。高温な砂漠地帯にあるが,周辺では灌漑によりタバコ,コーヒー,カカオ,ヒマなどが栽培される。パラグアナ半島南西岸に大規模な製油所が建設されて以降,同地域を西のマラカイボ油田および東の首都カラカス方面に結ぶ交通の要地となり,商業が発展。市内にはハンモック,石鹸,製靴,葉巻などの工場がある。東北東約 10kmには外港ラベラがあり,鉄道,道路で連絡。植民地時代の面影を残す町並みは,ラベラ港とともに,1993年世界遺産の文化遺産に登録。人口 12万 4616 (1990) 。

コロ

(1) kolo バルカン半島一帯で行われる民俗舞踊。「車輪」に由来し,大勢が輪になって踊る。手のつなぎ方やステップには地方によって相違があり,踊りの輪が閉じたり開いたり,円や半円になるなどさまざまな形式がある。民族楽器グスリの伴奏がつく。 (2) Kolo 旧ユーゴスラビアの国立民族舞踊団の名称。 1948年創設され,レパートリーはセルビア,マケドニアの民俗舞踊をヤンコビッチ姉妹が収集して舞台化したものから成っていた。

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世界大百科事典(旧版)内のコロの言及

【民族舞踊】より

…今日ではアンダルシア地方の民俗舞踊の影響でカスタネットを打ち鳴らすものが多くみられる。 民俗舞踊ではバルカン地方一帯にみられるコロがある。名称は地方によって少しずつ異なるが,たいていカップルで体形を作って踊られる。…

【ユーゴスラビア】より

…ボスニア・ヘルツェゴビナなどでは,金貨や銀貨を装身具に使用している。輪舞コロを踊ると,涼しい音色を響かせる。
[民族料理]
スロベニアはオーストリア風の味つけで,あっさりしたものが多い。…

※「コロ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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