コンジュ(公州)市(読み)コンジュ(英語表記)Kongju

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コンジュ(公州)市」の意味・わかりやすい解説

コンジュ(公州)〔市〕
コンジュ
Kongju

大韓民国(韓国)中央西部,チュンチョンナム(忠清南)道中部にある古都。コンジュ郡の郡庁所在地。チャリョン(車嶺)山脈の南麓に開けた小盆地にあり,クム(錦)江に臨む。水運と道路交通の要地として発達。百済時代にはコムナル(→熊津)と呼ばれ,広州が高句麗に占領されてから(今日のプヨ〈扶余〉邑)に遷都するまでの約 60年間,国都であった。新羅では 9州の一つ熊州が置かれ,高麗で公州となった。李氏朝鮮(→朝鮮王朝)では全羅道の観察使営が置かれた。1896年南道と北道の分離で南道の道庁所在地となったが,鉄道からはずれ,1932年道庁はテジョン(大田)直轄市に移った。家内工業による伝統的な絹織物,綿織物の産地として有名。近郊にある公山城,宋山里古墳群は,2015年世界遺産の文化遺産に登録された。1971年に発掘された武寧王陵からの華麗な出土品は国立博物館の公州分館に展示されている。東方のケリョン(鶏竜)山は森林と渓流に恵まれ,東鶴寺などの古刹もある。人口 6万5195(1990推計)。

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