ゴゴ族(読み)ゴゴぞく(英語表記)Gogo

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゴゴ族」の意味・わかりやすい解説

ゴゴ族
ゴゴぞく
Gogo

タンザニア中部の海抜 1000mの低木林地帯に住むバンツー語系民族で,人口約 100万と推定される。生業はおもに農耕で,主作物はソーガム,雑穀類である。しかし文化的な価値は牧畜のほうにおかれ,牛の交換や牛に対する権利は社会関係の重要な側面を形成している。民族全体を統合するような政治的統一はなく,特定氏族が儀礼的権威をもつ小規模な儀礼領地や父系の氏族紐帯などが,ゆるい社会組織となっている。土地の所有権は明確でないためかなりの空間的移動性をもち,拡大家族が暮すホームステッドが生活の中心になっている。

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世界大百科事典(旧版)内のゴゴ族の言及

【ドドマ】より

…残丘の散在する標高1100~1200mの高原面に位置し,月平均気温は20℃(7月)~24.5℃(11月)と恵まれているが,降水量は年平均約550mmと少なく,とくに乾季(5~10月)にはわずか20mmとなる。農牧民ゴゴ族Gogoの居住域の中心で,ラッカセイのプランテーション以外は粗放な自給的農牧地域であったが,ニエレレ大統領が推進したウジャマー(〈友愛〉の意)村建設のモデル地域として,社会主義的な新しい村づくりが行われた。タンザニアの首都を国の中央に位置するここへ移転する計画が1973年に決定され,新首都建設が進められている。…

※「ゴゴ族」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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