精選版 日本国語大辞典 「ゴム状硫黄」の意味・読み・例文・類語
ゴムじょう‐いおう ゴムジャウいわう【ゴム状硫黄】
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硫黄の同素体である無定形硫黄の一つ.粘性硫黄,可塑性硫黄ともいう.160 ℃ 以上に熱した液状硫黄を氷水中に注ぎ,急冷すると得られる.これは主としてλ硫黄とμ硫黄が一種の過冷却状態にあるもので,黄褐色ゴム状物質である.二硫化炭素に一部しか溶けない.融解温度により異なる組成のものが得られるが,常温に放置するとしだいに斜方晶系硫黄に変化する.かなりの張力をもった細い糸とすることができ,X線回折によれば,この細い糸は硫黄原子のらせん鎖を含み,らせん3回転当たりに約10個の硫黄原子を含むとされる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…そのほか無定形固体状のγ硫黄Sγ,δ硫黄Sδがある。熱した液状硫黄を水に注ぐとゴム状硫黄が得られるが,これは主としてSμからなるとされる。Sα,Sβ,Sλは王冠状のS8環状分子で,Sμは直鎖状のS6分子,SπはS4分子,ゴム状硫黄はらせん鎖状分子と考えられている。…
※「ゴム状硫黄」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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