ゴンドワナ植物群(読み)ゴンドワナしょくぶつぐん(英語表記)Gondwana flora

精選版 日本国語大辞典 「ゴンドワナ植物群」の意味・読み・例文・類語

ゴンドワナ‐しょくぶつぐん【ゴンドワナ植物群】

〘名〙 (ゴンドワナはGondowana) 石炭紀から白亜紀にかけてゴンドワナ大陸に繁栄し、現在化石として発見される植物グロッソプテリスガンガモプテリスが標識的な化石として知られている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゴンドワナ植物群」の意味・わかりやすい解説

ゴンドワナ植物群
ごんどわなしょくぶつぐん
Gondwana flora

古生代後期から中生代前期に南半球に存在した、超大陸ゴンドワナにみられた特徴的な植物群。主としてグロッソプテリス類が優占していたため、グロッソプテリス植物群ともよばれる。寒冷なゴンドワナ大陸中央部に広がった氷床周辺に生じた植物群で、ほかに楔葉(けつよう)類(トクサ類)のスキゾネウラSchizoneuraゼンマイ科などのシダ類がみられる。三畳紀に入り、大陸の温暖化と乾燥化が進行すると急速に衰退し、別系統の絶滅裸子植物ディクロイディウムDicroidiumやイチョウ類に特徴づけられるディクロイディウム植物群が新たに形成された。

[西田治文]

『西田誠編、進化生物学研究所・東京農業大学農業資料室共同企画『進化生研ライブラリー4 裸子植物のあゆみ――ゴンドワナの記憶をひもとく』(1999・信山社)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゴンドワナ植物群」の意味・わかりやすい解説

ゴンドワナ植物群
ゴンドワナしょくぶつぐん
Gondwana flora

古生代後期ペルム紀から中生代前期三畳紀南アメリカアフリカオーストラリア南極インドなどを含むゴンドワナ大陸に繁茂した温帯性の植物群。グロッソプテリスガンガモプテリスなどソテツシダ類に特徴的な属が知られている。分布地名を使ったときゴンドワナ植物群,南極地ペルム‐石炭紀植物群といい,代表的植物にちなみグロッソプテリス植物群ともいう。

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世界大百科事典(旧版)内のゴンドワナ植物群の言及

【ゴンドワナ大陸】より

陸橋説大陸移動説などを経て,現在ではプレートテクトニクスによってゴンドワナ大陸の分裂と移動が説明されるようになった。 ゴンドワナ大陸を特徴づけるのは舌状単葉で網状脈をもったグロッソプテリス類が全体の9割も占めるグロッソプテリス植物群(またはゴンドワナ植物群Gondwana flora)で,北半球の多種多様な植物で構成されている植物群とは根本的に異なり,きびしい環境の下に出現したことを暗示している。共に産するものとして大葉類のPalaeovittaria,Gondwanidium,有節類のSchizoneura,楔葉類のTrizygia(Sphenophyllum),針葉樹類のNoeggerathiopsisなどがある。…

※「ゴンドワナ植物群」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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