サイコ(映画)(読み)さいこ(英語表記)Psycho

日本大百科全書(ニッポニカ) 「サイコ(映画)」の意味・わかりやすい解説

サイコ(映画)
さいこ
Psycho

アメリカ映画。1960年作品。アルフレッド・ヒッチコック監督の代表作。遠距離恋愛を続けるマリオン(ジャネット・リーJanet Leigh、1927―2004)は、仕事で大金を預かり、ふらふらと恋人のもとに向かう途中、モーテルで殺されてしまう。死んだ母親に精神を支配され、母の声の命ずるままに次々と女性を殺害する犯人像、モーテルでの凄惨(せいさん)な殺人シーンの表現、上映途中からの入場を監督が直々に禁じた公開法、テレビドラマの制作態勢を取り入れた少人数の撮影など、公開当時から話題に事欠かず、異常心理をふまえたドラマは「サイコ」という概念・言葉を普及させ、従来のサスペンス映画、怪奇映画の概念を変えた。共演アンソニー・パーキンスAnthony Perkins(1932―1992)。原作は、殺人鬼エド・ゲインEd Gein(1906―1984)の事件を題材としたロバート・ブロックRobert Albert Bloch(1917―1994)による同名のスリラー小説。音楽はバーナード・ハーマン。後に続編(『サイコ2』1998年、『サイコ3 怨霊(おんりょう)の囁(ささや)き』1986年)が製作されているほかカラーのリメイク作品(『サイコ』1998年)も製作された。

[出口丈人]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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