サキシトキシン

精選版 日本国語大辞典 「サキシトキシン」の意味・読み・例文・類語

サキシトキシン

〘名〙 (saxitoxin) イガイカキ、サンドクラブなどの貝類に含まれることがある麻痺性貝毒。これらの貝類がある種のプランクトンを多量に捕食した際に、貝の体内に蓄積されることがある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「サキシトキシン」の意味・読み・例文・類語

サキシトキシン(saxitoxin)

ムラサキイガイなどの貝類に含まれる毒。プランクトン渦鞭毛藻うずべんもうそう生産・含有し、餌として取り込まれる。貝による食中毒原因となり、神経麻痺まひさせる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「サキシトキシン」の解説

サキシトキシン
サキシトキシン
saxitoxin

C10H17N7O4(299.29).ミチロトキシンともいう.海洋性プランクトン渦鞭毛藻Gonyaular catenellaG.tamarensisが産生する神経毒.これを食する二枚貝の中腸腺に蓄積するので,麻ひ性貝毒ともいわれる.白色の吸湿性固体.+130°(0.0005 mol L-1 塩酸).pKa 8.24(水).メタノール,水に易溶,エタノールに可溶,エーテル,ベンゼンに難溶.アルカリに不安定であり,また pH 3で3~4時間沸騰させると失活する.テトロドトキシンと同様に Na膜透過を阻害し,猛毒である.LD50 263 μg/kg(マウス経口).[CAS 35523-89-8]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

栄養・生化学辞典 「サキシトキシン」の解説

サキシトキシン

 →ゴニオトキシン

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のサキシトキシンの言及

【魚貝毒】より

…餌となる下等生物がつくった毒を,これらの魚が食べて毒化するらしい。
[オウギガニなど]
 ウモレオウギガニ,ヒラアシオウギガニ,スベスベマンジュウガニなどによる中毒で,原因物質はサキシトキシンなどの麻痺性の猛毒である。筋肉と甲殻に毒がある。…

※「サキシトキシン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android