ササ(笹)(読み)ササ

百科事典マイペディア 「ササ(笹)」の意味・わかりやすい解説

ササ(笹)【ササ】

一般にタケの小型の種類の総称であるが,明確な区別はない。茎を利用するものをタケ,葉を利用するものをササといったといわれる。植物学的には,タケはたけのこの皮(稈鞘)が生長につれて落ちるものをいい,ササは皮が残っていつまでも茎についているものをいう(この区別だと小型なオカメザサがタケとなり,丈の高いメダケやヤダケがササとなる)。ササ類は日本に種類が多いが,開花がふつう数十年に一度なので,分類はまだ不完全である。たけのこが美味のチシマザサのほか,葉で食物などを包んだり(チマキザサ),観賞用(クマザサ)とされる。笹と竹は松,梅とともに瑞祥として紋章に使用。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ササ(笹)」の意味・わかりやすい解説

ササ(笹)
ササ
Sasa; bamboo grass

イネ科の植物で,木質化した長い稈をもつ。日本を中心に朝鮮半島,サハリン千島列島に分布する。タケ類と合せて,いわゆるタケ・ササ類とされるが,そのなかでのタケとササの区別は明瞭ではない。根茎は地下を長くはい,稈をまばらに生じる。稈は根茎から直立し,中空円筒形で節があり高さ 2mほどのものが多い。枝は1つの節から1本ずつ伸びるが,枝を出さないもの (ミヤコザサ) もある。葉は広披針形ないし長楕円形で大きく,平行脈が走り縁には毛があり,稈の先端部に数枚が互生する。葉の基部は鞘に関節し落葉後も鞘は残る。花はまれに咲くものが多く,結実後株全体が枯れるのが普通である。花序は稈の下方および上方より生じ,円錐状で数個から十数個の花を疎生する。大きな群落をつくることが多い。多数の種が知られているが,おもな種として,クマザサ,アズマザサ,チマキザサ,ヤダケ,スズタケなどがある。

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