サバフグ(読み)さばふぐ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「サバフグ」の意味・わかりやすい解説

サバフグ
さばふぐ / 鯖河豚

硬骨魚綱フグ目フグ科のサバフグ属の総称であるが、そのなかでもシロサバフグとクロサバフグをさす。従来、和名サバフグとしてLagocephalus spadiceus学名が与えられていたが、最近の研究により、真のL. spadiceusとは異なることが判明した。このため、従来サバフグとされていた種にはシロサバフグL. wheeleriという名が与えられた。真のL. spadiceus形態分布については、さらに研究を要する。

 サバフグ属には、日本近海にはシロサバフグのほか、クロサバフグ、カナフグ、クマサカフグなどが分布し、東シナ海からインド洋およびアフリカ南部海域には、肉に強毒をもつドクサバフグを産する。

[松浦啓一]


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改訂新版 世界大百科事典 「サバフグ」の意味・わかりやすい解説

サバフグ (鯖河豚)
Lagocephalus lunaris

フグ目フグ科の海産魚。東北地方以南,朝鮮半島,中国,フィリピン,東インド諸島,オーストラリア沿海に広く分布。福井,熊本ではキンフグ,長崎,高知ではギンプク下関カナトフクなどの地方名がある。体の背側は青褐色,腹側は銀白色斑紋はない。ひれは淡黄色であるが,しりびれはとくに淡色尾びれ凹形で上下両端が白い。体の背腹両面に著しい棘鱗(きよくりん)がある。全長15cm程度。産卵期は5月前後で,卵は粘着性付着卵である。稚魚外洋に出て浮遊生活の時期を過ごし,秋になると沿岸に戻る。ほとんど無毒とされ,干物の原料となる。
フグ
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百科事典マイペディア 「サバフグ」の意味・わかりやすい解説

サバフグ

フグ科の魚。地方名キンフグ,ギンフグ,カナトフクなど。全長15cm程度。背面は灰青色,腹面は銀白色。福島・山形以南〜インド洋,太平洋に広く分布。ほとんど無毒であるが,味がトラフグなどには及ばないためフグ料理には用いられず,干物にする。別種の有毒フグをサバフグと称する地方があり,また熱帯の海にすむ近縁種のドクサバフグには肉にも猛毒があるので注意が必要。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サバフグ」の意味・わかりやすい解説

サバフグ

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