サラマンドラ(英語表記)salamandra[ラテン]

改訂新版 世界大百科事典 「サラマンドラ」の意味・わかりやすい解説

サラマンドラ
salamandra[ラテン]

動物学ではヨーロッパ産のイモリトカゲに似た体形で,皮膚から有毒物質を分泌する。古来火トカゲ〉の名で地中の火に生息すると信じられ,四大の一つである火の精霊として,火から生まれ火を食べ,火をかきたてる力をもつと考えられた。錬金術では火の象徴として,賢者の石生成に重要な役割を果たすとされる。一方古化学では,硝酸塩蒸留の際に発生する赤色蒸気や,石綿を指すのにこの語が用いられた。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「サラマンドラ」の意味・わかりやすい解説

サラマンドラ
さらまんどら
fire salamander
European salamander
[学] Salamandra salamandra

両生綱有尾目イモリ科の動物。ヨーロッパイモリともいう。ヨーロッパ中部および南部、アフリカ北西部、小アジアに分布する。全長13~28センチメートル。黒色地に線状または点状の黄色斑紋(はんもん)をもち、多くの亜種に区分される。山地丘陵地森林に生息し、地上性である。体内受精で、雌は春に約20匹の幼生を流水や止水に産む。アルプス山地からアドリア海東岸の山地にかけて分布する近縁種アルプスサラマンドラS. atraは全身黒色を呈し、1、2匹の変態個体を産む。

倉本 満]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル大辞泉プラス 「サラマンドラ」の解説

サラマンドラ〔キャラクター〕

円谷プロダクションによる特撮ドラマシリーズ「ウルトラシリーズ」に登場する怪獣。再生怪獣。初登場作品は『ウルトラマン80』。身長60メートル、体重4万トン。ゴルゴン星人が操る宇宙怪獣。1300度の火炎を吐く。体を傷つけられても数時間で再生することが可能。

サラマンドラ〔曲名〕

日本の歌の題名。作詞:加藤直、作曲:高井達雄。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android