サラーフ・アッディーン（読み）サラーフアッディーン

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サラーフ・アッディーン

エジプトのアイユーブ朝の始祖。通称サラディン。イラクのクルド族出身。初めアレッポのザンギー朝に仕え，1169年ファーティマ朝の宰相となって実権を握ったあと，アッバース朝の承認を得てスルタンを号す。シリア，イラク北部，イエメン，北アフリカに領土を広げ，1187年には十字軍がエルサレムに建てたエルサレム王国を滅ぼしてエルサレムを奪回。1192年に第３回十字軍と休戦条約を結んで，キリスト教徒のエルサレム巡礼を許した。文武に優れ，異教徒にも寛容な開明的君主であり，イスラムの英雄とされる。
→関連項目カイロ｜リチャード［１世］

出典　株式会社平凡社

山川 世界史小辞典 改訂新版

サラーフ・アッディーン

⇒サラディン

出典　山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」