サレ(読み)され(英語表記)Marie Sallé

デジタル大辞泉 「サレ」の意味・読み・例文・類語

サレ(Salé)

モロッコ北部の都市。首都ラバトとブーレグレグ川を挟んで北側に位置する。ムワッヒド朝時代の大モスクやマリーン朝時代のムリサ門などがある。名称は古代ローマの植民都市サラ(シェラ)に由来する。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サレ」の意味・わかりやすい解説

サレ
Sallé, Marie

[生]1707
[没]1756.7.27. パリ
フランスの舞踊家。曲芸師の娘として生れ,イギリス幼少期を過した。パリ・オペラ座で F.プレボーに師事し,1721年にデビュー。そののち首席舞踊手となり,友人のボルテールや J.ノベールらに影響され,女性として初めてみずから振付をし,踊るなど革新的な舞踊家として知られた。当時の因襲的な重い衣装をやめ,ギリシア風の軽いモスリンの衣装を採用し,34年『ピグマリオン』に出演した。 40年引退。 M.カマルゴと人気を2分し,カマルゴの華麗なテクニックに対して,繊細で気高く,しかもつややかな演技を得意とした。

サレ
Salé

モロッコ北部,大西洋岸にあるかつての海港,城郭都市。ブレグレグ川の河口右岸,ラバトの対岸に位置する。 10世紀に創設され,中世には重要な貿易港で,モロッコ西部の物資集散地,貿易港として繁栄。 17~18世紀にラバトとともに海賊の拠点となった。近年は港に泥がたまり使用できない。古くからイスラム教徒の町で,数多くのモスクと聖人の墓,1333年に建てられた学校がある。現在は商業中心地で,水産加工などが行われる。サレ県を形成する。人口 28万 9391 (1982) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「サレ」の意味・わかりやすい解説

サレ
され
Marie Sallé
(1707―1756)

フランスのバレリーナ。パリに生まれる。1721年パリ・オペラ座でデビュー、40年に引退。34年にロンドンのコベント・ガーデン劇場で『ピグマリオン』に出演したとき、従来の鯨骨で張り広げたバロック風のスカート、渦巻状のヘアスタイルをやめ、古代風のモスリンのチュニックを着けて踊った。モリエールの喜劇作品やラモー作曲のオペラ・バレエ『はなやかなインド』などで絶賛を浴び、演劇的バレエの端緒を開いた。優雅さと深い表現性をもち、カマルゴとともに18世紀前半を代表するダンサーで、ボルテールは彼女のために詩を書き、ヘンデルは彼女のために作曲した。

[市川 雅]

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世界大百科事典(旧版)内のサレの言及

【ラバト・サレ】より

…モロッコ王国の首都。大西洋に面しカサブランカの北東90km,ブー・レグレグ河口の段丘上にあり,川を挟んで西がラバトal‐Ribāṭ,東がサレSalāの町。人口138万6000(1994)。…

※「サレ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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