精選版 日本国語大辞典 「サンピエール」の意味・読み・例文・類語
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フランスの聖職者,著作家。1695年にフランス・アカデミー会員に選出される。1712年ポリニャック枢機卿に従って,スペイン継承戦争を終結させるためのユトレヒト会議に出席し,これを契機に《ヨーロッパ恒久平和》全3巻を執筆・刊行した(1713-17)。彼はこのなかで〈諸国民の最高法廷〉設置の必要を説き,この法廷の権威によって人類から戦争の害悪を除こうと意図した。この書は,ルソー,カントをはじめとする後の平和論者に大きな影響を与えている。次いで18年には,《複数会議制論》を発表し,行政権は,国王に直属する大臣にではなく,より民主的な形態として,複数の選挙された議会にゆだねられるべきむねを説いた。しかしこの意見はルイ14世の権力集中体制に向けられた明確な批判であったため,フランス・アカデミーから追放された。彼は,アラリ神父,ダルジャンソン侯爵と共に,1720年代の啓蒙的知識人の集りである〈中二階クラブ〉の創設に参加している。
執筆者:中川 久定
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