ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ザント」の意味・わかりやすい解説
ザント
Sand, Karl Ludwig
[没]1820.5.20. マンハイム
ドイツ,イェナの大学生。当時ドイツの大学を風靡していた自由主義的風潮を著名な劇作家で文芸評論家の A.コッツェブが嘲罵したので,ザントは彼を専制ロシアのスパイでありドイツ民衆の自由の敵とみなし,1819年3月 23日マンハイムで刺殺した。ザントは翌年処刑されたが世論の同情を集め政府を狼狽させた。しかしメッテルニヒはこの機をとらえて,19年カルルスバートの決議 (学問の自由の制限などをその主旨とする) を成立させ,全ドイツの自由主義運動を公然と弾圧しはじめるきっかけとした。
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