シェノア(英語表記)August Šenoa

改訂新版 世界大百科事典 「シェノア」の意味・わかりやすい解説

シェノア
August Šenoa
生没年:1838-81

ユーゴスラビア作家。チェコ系のクロアチア人。プラハウィーンに学ぶ。ジャーナリストとして出発,晩年も《花冠》紙を編集するなどして,クロアチア文学をヨーロッパ的水準に高めた。多作で詩,短編長編評論翻訳を発表したが,歴史小説家として最も成功する。代表作はザグレブの過去を描いた《金細工師》(1871),中世に材をもとめた国民文学ロングセラー農民反乱》(1877)。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シェノア」の意味・わかりやすい解説

シェノア
Šenoa, August

[生]1838.11.14. ザグレブ
[没]1881.12.13. ザグレブ
クロアチアの作家。政治文芸評論演劇批評でも活躍し,リアリズムを唱えた。民主主義を主張した小説『金細工師の金』 Zlatarovo zlato,『こじきのルカ』 Prosjak Luka,『農民一揆』 Seljačka buna (1877) などがある。

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世界大百科事典(旧版)内のシェノアの言及

【ユーゴスラビア】より

…セルビアのロマン主義を代表したのは詩人ラディチェビッチBranko Radičević(1824-53)とヤクシッチDura Jakšić(1832-78)である。また19世紀中ごろロシアやフランスのリアリズムに影響されながら,クロアチアの過去を散文に再現したシェノア,セルビア随一の児童文学者ズマイ,スロベニアのユルチッチの活躍も注目される。世紀末にセルビアのラザレビッチLaza Lazarević(1851-91),マタブリスレマツ,クロアチアのノバックVjenceslav Novak(1859-1905)らが地方色豊かな日常生活を好んで描いた。…

※「シェノア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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